私は、日ごろの行動柄、「起業されたんですね。」とか「起業家」だとか言われることがある。
私は、この「起業家」という言葉は、好きでない。
もちろん、言葉の定義とか語感は人それぞれ持っているものなので、ぜーったい、起業家と呼ばないで、とは思わない。そうよばれることで得するときは節操なくつかう。私は思想家でもなく、この世を生きるリアリストだから。
会社を設立するというのは、そんなに偉大なことなのだろうか。
私はまったくそう思わない。
偉大なのは、事業をつくることであり、事業をはじめることやたちあがることではないのだ。
起業というのは、自分の側にイニシアチブがあるような言葉だ。
われ、業を起こす、なわけで。
そこには、どうしても「自己実現」とか「自己表現」みたいなニュアンスを感じる。
別に、自己実現や自己表現自体が悪いわけでない。
でも、自由にいきようとするだけで、評価する姿勢は明らかに間違っていると思う。
それは往々にして、自分勝手や社会不適応につながることが多い。
自由に生きたい人は、ひっそりと自由にすればいいだけだから。それだけで社会に貢献したり、インパクトを与えることはないし、そんなことを助長しても仕方がないと思う。
渋谷のハチ公で、あるパフォーマーを見たことがある。
20代くらいの女の人だった。
黒い全身タイツで、ところどころ穴をあけてある。
そして、ときに両手をぐるんぐるまわし、とびはね、まあ、ダンスっぽいことを裸足でしていた。
私は、それをみて、不快感を通り越して、憎悪を感じずにいられなかった。
多分、彼女は自己実現というものをしていたのだと思う。
しかし、その表現には、なんの美しさも、感情を揺さぶるものもなかった。
私が不快になったのは、往来する人の波をまったく気にせずに自分の世界にひたりきっているところだった。そして、そこに感じた、ねじれた形での「私を見て」という無言の訴えに
大して、激しく憎悪した。
こういうのを、表現とか、パフォーマンスと勘違いしている人もいるかもしれない。
私は、絶対に違うと思う。これをみとめると、裸で走り回る酔っ払いや、落書き(スプレーでしゅーっていうやつ)、ウィルス送りつけている奴、スパムやさんもおんなじだ。
自分が本当に伝えたいことがあるならば、それを伝えたい受け手に対して、伝わるように工夫しなければならない。それは不特定多数の人に対しても、特定の好きな人に対しても、お客さんに対しても、そうだ。(テロリストは、行為そのものは最低だし絶対に許せないけど、すくなくともだれにどう恐怖を伝えるか、設計はしている。)
ダンスとして伝えるならば、正確な表現形式があるはずだ。
ダンスでなくてもいい。
伝える手段はいろいろあると思う。長渕剛は、最近ライブの最中腕立て伏せ100回が恒例らしいが、そんなんでもいい。
ようするに、伝えたい対象もわからず、技術もない人間が、少なくとも往来にたつな、と思う。
自宅でもカラオケボックスでもレンタルスペースでも深夜の公園でもいいから、そういうところでしてくれ、ということだ。もしくは、伝わりそうな人がいるところ、自分で作るなりして。。。
ちなみに、私はストリートパフォーマーは好きで、3,4年前渋谷で毎日曜日の夜やっていたコント「がっぽり建設」とか、山下公園でやっている、チェーンソー使う、外国人ジャグラー2人組(ゴム手袋かぶって鼻呼吸で膨らます「チキンマン」「やってて良かった公文式」ていうギャグいう外国人、といえば、わかる人いるかな?)は、好きでした。
、、、とだいぶ脱線したけど、blogだからいいでしょう。
そう、偉大なのは、立ち上がることではない。
それは手段に過ぎない。ましてや、立ち上がるだけだと、迷惑なだけだったりすることもあるのだ。
重要なのは、お客さんをつくろうとすること、そして実際につくることなのだ。
お客さんを想定し、それにどうコミュニケートすればいいか、それを慎重に考えて設計することこそが重要なのだ。
クリエイターであれば、お客さんが自分(たちじしん)であってもよい。自分たちみたいな人がいっぱいいると思えば、それは十分に事業をつくろうとしていることになりうる。
お客さんをつくれるんだったら、その事業主体なんか本当は関係ない。それはやりやすい形、個人としての欲求とかを勘案して資本構成なり組織構成を設計すればいい話だ。(たいてい、あたらしいものは既存組織ではいろんな意味でやりにくいので、必然的に新会社つくることがおおかろう。私もやはりそうだ。)
そして、事業という以上、お客さんからの感謝は原則として日銀券で払われなくてはならない。(そのうち、PICSYでもOKかも。)
、、、とつらつら書いてきたけど、「起業」っていうのは、たんにはじめました、だけの語感なので不満なのだ。すごーく自意識を感じるから。そういう自意識はせめてblogに書く程度にとどめて欲しい。
だから、事業家とか、企業家みたいな言葉遣いのほうが好きだし、そうなりたいと思う。
という私自身は、まだまだハナタレ小僧だから、一生懸命やろうっと。
あ、ちなみに、何か新しいことやろうという意志持っている人は、個人的にすごく好きです。
いっしょにがんばって正確で希少な技術を獲得して行きましょう。